日々のこと

朝が始まる楽しみの時間

月ノ葉ナト

朝に、小さな楽しみの時間を持っている。そのことについて、今日は少しだけ書いておこうと思う。

花々が優しく咲く穏やかな朝も、凍えるような寒い日も、茹だるような暑さの日も。朝の小さな時間に、ハンドドリップで珈琲を淹れる。豊かな香りに癒されるけど、珈琲にはちゃんとカフェインも入っている。目を覚ますために飲んでいるのに、心が落ち着いてしまうのだから不思議だ。お湯が注がれて広がる香りが慌ただしい朝をほんのひと時、ゆったりとした心地にさせてくれる。

きっかけは、電気ケトルを買ったこと。

昔から珈琲は好きだがインスタントで充分、と思っていた。もちろん今でも飲む。お手軽でいい。だが、ちゃんと淹れた珈琲に憧れがあった。何度か薬缶でやったこともあるが、淹れにくいものだ。理想とは程遠い。

しかし、電気ケトルを買った。ちょっとだけ必要に迫られて。これを機に買ってしまおうと思い選んだのが、注ぎ口の細いもの。珈琲を入れる気満々だ。

もともと家にはドリッパーがあった。しかもなぜか大きさ違いで3種類。最初は一人分だからと一番小さいものでやっていたのだが、どうもあまり上手に淹れられない。何が悪かったかはわからないが、少し大きい2〜4人用でやるようになったら、だんだん思うように淹れられるようになってきた。

私は珈琲を淹れるのが上手いと思っている。家族以外の人に淹れた事はない。ただの自画自賛だ。でも、自分の好みに淹れる事は絶対に上手い。私が淹れた珈琲より美味しい珈琲が飲めるお店はほんの数軒。それでいい。絶対的に美味しいものなど無い。私の好みじゃ無いだけだ。だって私が淹れた珈琲を飲むのは私なのだから。美味しいに決まっている。

以前テレビで美味しい珈琲の淹れ方というのをレクチャーしているのを見た。グラム数をきっちり測ってロジカルに淹れる。せっかく見たので真似してみたが、何度やっても私の好みの味にはならなかった。出演者の方が、「全然違う!すごい美味しい!」って言ってたのに。

私の淹れ方はケチったれているのだ。でもこれがちょうどいい。珈琲豆は10g。これでマグカップ1杯分淹れてしまう。それでもちゃんとコクも苦味もあって、雑味は少なく、美味しく淹れられる。

ナト流ハンドドリップで珈琲を美味しく淹れる方法

秤の上にマグカップとドリッパー、フィルターをセットして、スイッチを入れる。

秤は0gを指します。

珈琲豆を10g入れた後、秤のメモリを0gにする。
沸かしたお湯を10gほど回し入れ、30秒ほど待つ。

珈琲全体に少しずつかかるように入れて、蒸らします。

お湯を40gほど回し入れる。

ここまででお湯は50g入ったことになります。

STEP4で入れたお湯が完全になくなるより少し前に、次のお湯を50g入れる。

これを総量250gになるまで繰り返したらマグカップ1杯分になります。

ナト
ナト

これで美味しく淹れられたらご愛敬。
美味しくなかったらごめんなさいね

珈琲豆はごく普通の、スーパーで買ったもの。私のお気に入りはAGFの森彦の時間森彦ブレンド。私は酸味が少し苦手で、深煎りのコクと苦味が好き。だから選んだ。ピンクのマイルドブレンドも、水色のアフリカン・ムーンも美味しいけれど私の好みはやっぱり白。冬限定のグレーの雪も好きだ。

実は朝だけでなく夜もときどき珈琲を淹れて飲むのだが、その時はカフェインレスにしている。こちらもスーパーで買える丸山珈琲のスペシャルティカフェインレスコーヒーDark Roast。カフェインレスはいくつか試してみたけれど、これが一番普通の珈琲に近くて美味しかった。カフェインレスはどうしても珈琲からコクを奪ってしまうみたいで、酸味の強いものが多い印象。そんな中、ちゃんとコクが感じられるのが丸山珈琲のカフェインレスの魅力。

もちろん珈琲専門店でも買い求める事はある。遠方で買った珈琲豆が美味しかったから、後日お取り寄せしたこともある。ただやっぱり、日常の楽しみとして飲むには少々高かったり、入手の手間があったりはするものだ。

しかし最近はスーパーの珈琲も値上がりしている。森彦の時間はもう数年飲んでいるけど、買い始めた頃に比べたら200円ほどはおそらく高くなっていると思う。そりゃあいろんな影響があって、いろんなものが値上がりしているので、致し方ないことではあるんだけど、だんだんとスーパーの珈琲も普段の楽しみというより贅沢品になりつつあるのではと戦々恐々としている。

それでも私は今日も珈琲を淹れる。朝の小さな隙間時間。小さな楽しみの時間。香りを楽しみながら、ゆっくりと淹れた珈琲。そして珈琲を淹れるという行為そのもの。すべて私の心を整える大切な時間である。

ABOUT ME
月ノ葉ナト
月ノ葉ナト
自然に寄り添いながら、言葉を綴る人
日々のうつろいと、草花のささやきを感じながら、日々のことを少しずつ綴っています。 言葉にすることで、気付けることがあると信じて。 特に何者でもないけれど、だからこそ自由に、静かに、ここにいます。
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